乳頭の陥没でお悩みの方

乳頭が陥没している陥没乳頭に悩んでいる人もいるでしょう。若いうちには見た目以外に症状がありませんが、出産をした後の授乳で問題となるため、妊娠をする前に治療しておくことが大切です。年齢や状態によっては健康保険が適用されます。この項目では陥没乳頭がどのような状態なのかということや、放置することの問題点、手術の方法について、くわしく解説していきます。

陥没乳頭とは

陥没乳頭は、乳首の中心部分が乳輪の中にもぐりこんでいる状態、あるいは乳頭と乳輪が平らな状態のことです。日本人の女性のおよそ2割前後が陥没乳頭ではないかとも言われています。陥没乳頭には2種類あり、乳首が完全にくぼんでしまっていて、乳首を指でつまむのが困難なものを「真性陥没乳頭」、指で引っ張ったり刺激を与えたりすれば外に出るものを「仮性陥没乳頭」と呼んでいます。指で刺激を与えれば乳首が出てくるなら仮性陥没乳頭でしょう。陥没乳頭は見た目が悪いというだけでなく、授乳の際に問題となります。

陥没乳頭は乳腺と乳管の発育不良によって起きるものです。真性陥没乳頭だと、乳首そのものが出てこないので赤ちゃんが乳首をくわえられません。つまり、真性陥没乳頭だと授乳そのものができないのです。仮性陥没乳頭であれば赤ちゃんが乳首をくわえることができるケースもありますが、上手にくわえられないケースも多くあります。マッサージなどで乳頭を引き出して赤ちゃんがくわえやすいようにすることもできますが、その際のマッサージに痛みを感じる人も多いのです。その結果、母乳育児をあきらめてしまう人も少なくありません。

さらに陥没乳頭を放置した状態で授乳をした場合、乳首が陥没した際に乳首の周辺に老廃物がたまり、雑菌が繁殖し、炎症を起こしやすくなります。また、乳腺炎を起こすリスクが高まります。乳腺炎は乳腺に乳汁やたまって起こるものと、乳腺や乳管が細菌感染を起こすものがありますが、特に細菌感染が起こると38度を超える高熱が出て乳房が固くなり痛みを伴います。陥没乳頭の人だと、慢性的に乳腺炎の状態となる場合も多く、授乳が終わった後でも症状をくり返すおそれがあるため注意が必要です。

陥没乳頭の人は外見にコンプレックスを抱きやすい特徴がありますが、出産後に困難が起こることが予想されるため、結婚や出産を希望している場合は早いうちに治療をしておくとよいでしょう。なお、40歳未満で今後出産を予定している場合、乳頭の状態によっては健康保険で治療できる場合もあります。

 

手術について

陥没乳頭の手術は、陥没乳頭の程度によって手術の方法が選択されます。埋没法はごく軽度の仮性陥没乳頭の人に適用されます。手術では乳頭を医療用の糸で引き上げてから、乳頭の周りを数カ所小さく切開し、乳房が陥没しないように埋め込んだ糸で引き締めます。乳頭を引っ張り出してもすぐに戻ってしまうなど、中程度の陥没乳頭の場合は難波法という術式がとられます。乳頭を医療用の糸で引っ張り出すところは埋没法と同じですが、難波法では乳頭の周りを「Z」の形で3カ所切開し三角弁を作ってから引き締めていきます。

真性陥没乳頭など重度の陥没乳頭の場合は、酒井法という術式がとられます。この方法では乳頭の皮膚を切開した上で、乳管の周辺でくっついてしまっていた組織をはがしながら乳頭を引っ張り出し、乳頭の根元部分を医療用の糸で縫い合わせます。乳管をできるだけ切らずに行うため、将来授乳する際に問題となるケースもほとんどありません。いずれの手術も局所麻酔を使って行い、手術にかかる時間は長くても90分程度となります。また日帰り手術で行われるのが一般的です。

ダウンタイム

当院では陥没乳頭の手術後は、感染症を防ぐための抗生物質と痛み止めが5日~1週間分処方される場合があります。また、手術後の乳頭は器具や防水テープで固定されています。手術当日は入浴やシャワーもできません。シャワーについては手術翌日から許可されるのが一般的です。その際には、防水テープをはがさずにシャワーを浴びます。仕事などは手術翌日から行けますが、激しい運動や飲酒は医師の許可が出るまでは控えてください。
手術から1週間後に傷口の状態を確認し、抜糸になります。術後1週間で防水テープがはがされ、入浴の許可が出ることが多いです。陥没乳頭の術後のダウンタイム(元の生活に戻るまでの時間)は2週間ほどとなっています。2週間後には傷跡が目立ちにくくなり、痛みや腫れも少ない状態で過ごせるでしょう。

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監修医師

苅部 淳Karibe Jun理事長

苅部 淳 日本形成外科学会形成外科専門医
略 歴
順天堂大学医学部卒業
東京大学附属病院形成外科 入局
埼玉医大総合医療センター 形成外科・美容外科 助教
福島県立医大付属病院 形成外科
寿泉堂総合病院 形成外科
山梨大学附属病院形成外科 助教・医局長
東京大学附属病院 精神科
専 門
日本形成外科学会形成外科専門医
日本抗加齢学会専門医
日本医師会認定産業医
専門分野
形成外科一般、マイクロサージャリー、リンパ管吻合術、乳房再建術、性適合手術、美容外科手術、静脈瘤、レーザー治療など。
美容外科手術、レーザー、ボトックス、ヒアルロン酸等
大手美容外科クリニックで長年にわたり研鑽を積み、形成外科専門医として医師の診療、指導にあたっている。

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