副乳とは
人間の乳房は左右で1つずつですが、脇や乳房の下などの乳房以外の部分に乳腺が存在することを副乳と言います。左右両方できる場合や、片方だけできる場合があります。
症状
症状に気が付かないケースもありますが、子供の時に副乳ができやすいラインにふくらみやしこりが見られる場合があります。
妊娠時にふくらみや症状に気がつくケースがあります。妊娠中、産後、授乳中に、副乳が発達し、乳汁の出口がないことから乳腺炎を生じるケースがあります。痛み、熱感を強く感じる場合あります。授乳期が終われば自然に目立たなくなったり、症状が軽快します。
そのほか、生理中や更年期などの女性ホルモンの影響で痛みが出現する場合があります。
原因
人間の乳房は、妊娠9週目になると左右の乳房を残して消えていきます。これが、きえずに残ってしまったものが副乳です。
遺伝説もありますが、具体的にはわかっていません。
副乳の種類
ふくらみだけのもの、乳首や乳輪がついているもの、乳腺組織が発達し稀に乳汁(母乳)がでるもの、があります。
副乳のできる場所
犬や猫などの哺乳類が乳房をもっているラインと同様に、脇の下から乳頭を通って足の付け根までにできやすいと言われています。別名ミルクラインと呼ばれています。
こんな方に治療がおすすめ
副乳が気になる
ウェディングドレスやキャミソールなど肌の露出がある服を着る機会がある
痛みがある
大きくなってきた
診断方法
エコーを行ったり、医師が触診します。
粉瘤や副乳癌、腋窩リンパ節炎などの病気がないかも調べます。
必要に応じて、手術でとった副乳を病理検査にだします。
男女比の割合
アジア人の5%が副乳があると言われおり、日本人は10人に1人の割合といわれています。
女性だけでなく、男性も副乳ができます。
副乳のがん化のリスク
極めて稀に脇の下の副乳が癌になるケースがあります。
治療方法
副乳は健康に影響を与えるものでないため、経過を観察していても問題がありません。
ですが、大きくなって生活に支障がでるなどの場合は、手術で副乳を除去する方法があります。当院では、日帰り手術を行っているためなんらかの症状があり手術を希望される方には手術を行っております。
手術の方法
手術は、局所麻酔で行います。1つの副乳切除は約10分程度ですが大きさや個数、乳腺の発達状況によっては所要時間が異なりますのでご注意ください。
麻酔を行った後、メスで副乳を切除し縫合して終了となります。
概要やリスク
・麻酔
局所麻酔・表面麻酔を併用します。
・所要時間
通常1個あたり10分程度(大きさ、乳腺組織の有無、個数に応じて前後します)
・洗顔・入浴・メイク
シャワー・洗髪は当日から傷口を濡らさないようにして浴びることが可能です。
入浴は、血流が良くなり腫れや痛みの原因となるため、医師の許可がでるまで控えてください。
入浴: 術後1週間後からの抜糸後から可能です。
・通院回数
術後7日後 (抜糸) にご来院ください。
・副作用・ダウンタイム
腫れ/痛み: 個人差にもよりますが、数日で落ち着いてきます。痛みが強い場合は、ご相談ください。
内出血: 個人差により内出血のため赤紫色になることがありますが、約1~2週間で取れますのでご安心ください。必要時は、化膿止め、痛み止めをお出ししております。
内服薬の服用によって何らかの異常がおきましたらば服用を中止してご連絡ください。
・注意事項
7日後の抜糸まで下着やブラジャー、衣類はできるだけゆとりのある物をご使用ください。
サウナ、プール、うつぶせ寝、激しいスポーツは3週間~1カ月はお控えください。
よくある質問
- Q1副乳切除は保険適用しますか?
- 大きなものや日常生活に支障があるものは保険適応になります。
- Q2副乳除去の手術は何科でおこなっていますか?
- 皮膚科、形成外科で行なっています。まずは、保険診療で形成外科専門医に相談してみるのが良いでしょう。
- Q3副乳はなぜできるのですか?
- 乳房は人では通常、胸の左右に一つずつありますが、生まれつきワキの下やお腹にも乳房ができることがあります。犬や猫など他の動物では乳房がたくさん着いているのが普通で、その名残です。目立たないため気付かなかったり、いぼやホクロだと思われることが多いですが、女性の5%程度に副乳があります。副乳は小さく、膨らんでいるだけの場合が多いですが、乳輪や乳腺のふくらみがある場合もあり、母乳が出る場合もあります。妊娠や生理などホルモンバランスが変化する際には、副乳のしこりが大きくなったり、痛くなることがあります。