扁平上皮癌

肺がんとは

現在、がんは日本人にとって非常に身近な病気であり、近年の統計では、2人に1人が一度はがんに罹患すると言われています。
わが国において、肺がんは近年やや減少傾向にありますが、それでも罹患数が男性で2位、女性で4位、男女の合計では3位となっています。

そして、肺がんにおいて重要な問題は死亡者の多さです。部位別がんの死亡数でみると、2018年の統計では男性が5万3002人で1位、女性は2万1118人で大腸がんに次いで2位となっています。5年間生存できる割合も20%強であり、治療が困難ながんの一つです。

原因

肺がんは50歳以上の方で発生率が急激に増加します。
肺がんのリスク因子として最も有名なのは喫煙で、喫煙者は非喫煙者と比べて男性で4.4倍、女性で2.8倍肺がんになりやすく、また下記の方は、肺がんにかかりやすいと言われています。

  • 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)に罹患している
  • 職業的曝露(アスベスト、ラドン、ヒ素、クロロメチルエーテル、ロム酸、ニッケル)を受けたことがある
  • 過去に肺がんに罹患したことがある
  • 家族に肺癌に罹患したことがある

組織型分類(がんの組織状態による分類)

肺がんは、「組織型」と呼ばれる顕微鏡で分かる悪性腫瘍の”顔つき”が様々あります。大きく分類すると4種類あり、悪性腫瘍の細胞の形や性質がそれぞれに異なります。進行の速さ、転移のしやすさなども、タイプによって違うことが分かっています。

それぞれの組織型の説明を以下に記載します。

腺(せん)がん

肺がん全体の50から60%を占めています。最初は気管支の先に小さく発生する事が多く、丸い形の細胞が集まり、増殖していくのが特徴です。

がん細胞の密度が低い場合、胸部CTでは「すりガラス様陰影(いんえい)」として認められます。腺がんは、手術により高い治癒率が得られる腫瘍もあれば、一方で、早期に転移を認める腫瘍もあり様々です。

また腺がんは、喫煙をしたことがない女性にも発生することが分かっています。

扁平上皮(へんぺいじょうひ)がん

腺がんに次いで多い組織型で、全体の25から30%を占めています。太い気管支に局所的に広がり、皮膚や食道粘膜の細胞に似た形のがん細胞であることが特徴です。

扁平上皮がんの最大の発症要因は、喫煙(たばこ)です。ヘビースモーカーの男性に多く、かつては喫煙者におけるがんの代表でしたが、現在は喫煙率の低下に伴い、減少傾向にあります。

大細胞がん

大細胞がんは、全体の5%前後を占めています。

腺がんや扁平上皮がんとしての性質や特徴が認められない悪性腫瘍です。末梢(まっしょう)に発生することが多く、薬物療法、放射線療法が効きにくい傾向があります。

神経内分泌腫瘍

神経内分泌腫瘍は、2015年のWHO分類で新たに出来た区分です。「小細胞肺がん」「大細胞神経内分泌癌」「カルチノイド」の3つがあり、全体の25から30%を占めています。
このうち、「小細胞肺がん」が多く、非常に悪性度が高い組織型です。進行が速く、発見時には他臓器へ転移していることが多々あります。

腺がんと扁平上皮癌とは治療の進め方も異なります。そのためガイドラインなどの分類では、小細胞肺がん以外のがん(非小細胞肺がん)とは別に扱われます。

その他の腫瘍

転移性肺腫瘍
肺は非常に血流の豊富な臓器です。そのため、他臓器で発生した悪性腫瘍が血流に乗って肺への転移を生じる事が多くあります。転移性肺腫瘍に対しての治療は、他の肺がんとは違い、原発臓器によって治療方針が異なるため、全ての転移性肺腫瘍が切除の対象となるわけではありません。

特に肺に転移しやすい悪性腫瘍の原発臓器は以下の通りです。

  • 原発臓器
  • 結腸・直腸がん、頭頸部がん、胃がん、食道がん、乳がん、腎がん、子宮がん、骨・軟部悪性腫瘍、膀胱がん、肝がん、膵がん、卵巣がんなど

検査

診断は、臨床所見に加えて、確定診断として腫瘍の一部を採取して病理組織学的に検査(生検)することによって行われます。さらに、断層超音波、CT、MRI、シンチグラムなどの画像診断を利用して、リンパ節転移および遠隔転移を検索し、腫瘍の進行度(病期)を決定します。画像診断は、原発巣の浸潤の程度を検索するためにも有用となります。

当院の治療

治療は外科的に切除することが第一選択となります。病期によって、腫瘍から5mm~3cmの健常皮膚を含めて切除します。腫瘍の切除後に広範な皮膚の欠損が生じた場合には、通常、遊離植皮あるいは種々の皮弁を利用して、欠損部を被覆します。四肢末端部の場合には、切断術や関節離断術が適応となることもあります。

腫瘍の所属リンパ節への転移を認める場合には、原発巣の拡大切除に加えて、腋窩、頚部、鼠径部などのリンパ節を取る手術を行いますが、リンパ節転移が無い場合の予防的なリンパ節郭清は行わないのが一般的です。

防的なリンパ節郭清は行わないのが一般的です。
他の臓器への転移を認める進行例に対しては、放射線治療や化学治療などの集学的治療が行われますが、症例によって原発巣の切除を追加する場合もあります。

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