鼻形成とは

鼻形成(鼻整形)で整えられた美しい横顔の女性

鼻形成(鼻の整形)とは、手術によって鼻の形を整え、美しくバランスの取れた鼻筋や鼻先を作る治療です。低い鼻を高くしたり、大きすぎる小鼻を小さくしたり、丸い鼻先を細く尖らせたりと、さまざまな施術の組み合わせによって理想の鼻形に近づけることが可能です。主に美容目的の治療ですが、外傷や先天的な変形による機能面の改善を目的とする場合は形成外科的な手術として行われることもあります。

原因

鼻の形状や大きさは主に骨格や軟骨の構造によって決まっており、多くの場合は生まれつきの要因(遺伝的・人種的な特徴)が原因です。低く扁平な鼻梁や丸い鼻先、鼻翼の張り出しなどは遺伝的によく見られる特徴です。また、事故による骨折や外傷、過去の手術の影響で鼻骨に隆起(コブ)ができたり鼻中隔が曲がったりすることもあります。このように先天的・後天的な要因で生じた鼻の形のお悩みに対し、鼻形成によって審美的な改善が可能です。

診断

当院では、まず専門の医師が鼻の形態を丁寧に診察します。鼻の高さや幅、鼻先の軟骨の状態、顔全体とのバランスなどを視診・触診で確認し、患者様の気になる点を詳しくお伺いします。そのうえで理想の仕上がりイメージを共有し、どのような施術が適しているかを検討します。レントゲンなど特別な検査は通常不要ですが、必要に応じて施術前にシミュレーション画像等をお見せし、患者様にご納得いただける治療計画を立てます。

症例

術前

術後1ヶ月

術後3ヶ月

術後6ヶ月

施術方法

鼻形成の施術には、改善したい部位や症状に応じてさまざまな方法があります。当院で行っている主な鼻の手術は以下の通りです。

鼻翼縮小術(小鼻縮小術)

小鼻(鼻翼)の横幅を物理的に小さくし、鼻の穴の大きさや鼻全体の幅を縮める手術です。鼻翼縮小術には外側法と内側法があります。外側法は鼻翼自体を小さくするために、鼻翼の基部で組織を切除し減らす方法です。鼻翼縮小術は、大きく鼻の穴(鼻孔)の内側を切り取る内側法と、外側を切り取る外側法に分けて考えるとわかりやすいです。当院の方法は鼻翼形態を可能な限り自然な形で小さくする方法を行っております。このため多少傷の長さが長くなりますが、鼻の輪郭に傷を隠すデザインのため、それほど目立ちません。

適応
・鼻の穴が大きいので小さくしたい
・小さくてかわいい小鼻に憧れている
・鼻の穴を小さくする小鼻整形が受けたい
・鼻の横幅を小さく調整したい
・確実な効果が見込める鼻翼・小鼻縮小がしたい
・ダウンタイムが少なめの鼻翼・小鼻縮小がいい
・傷の目立たない鼻翼・小鼻縮小がいい

施術方法
①内側切開(内側法) 内側のみの皮膚と粘膜を切開する方法です。

内側法とは、その名の通り、鼻孔の内側を切り取ってしまう手術です。通常の内側法は、鼻翼の内側の皮膚を切り取って、縫い合わすことで、鼻翼の幅を狭めようとするものです。ただし通常の内側法では、鼻柱に外向きの力がかかり、鼻柱の幅が広くなってしまうため、鼻孔は小さくなったにもかかわらず、鼻翼の幅を狭めるという目的が達成できないことがあります。皮弁法を用いない場合には、長期的には後戻りする可能性が高くなります。皮弁法とは、本来内側法では切り取って捨ててしまう部分を、皮膚の下をくぐらせて反対側の鼻孔まで通して、縫い合わせてしまう方法です。皮弁法はやや手間はかかりますが、狭まった幅は広がりにくいために、手術直後から安定した結果が得られ、その結果は長期間にわたって維持できます。ただし、皮弁法も良いところばかりではありません。皮弁が鼻柱の下で交差するため、若干ですが盛り上がってしまいます。またその部分を違和感として感じる可能性も否定できません。通常の内側法、皮弁法に(外側法でも)共通して注意すべき点は、やりすぎないことです。切り取った組織は二度と戻ることはありません。鼻孔が小さくなりすぎた鼻は、見
た目が綺麗でないだけでなく、空気の通りにも悪影響を与えます。内側法では、鼻翼の付け根の位置が少し下がるため、鼻孔が見えやすくなることがあります。

②外側切開(外側法) 余分な小鼻の皮膚を取り除く方法です。

外側法は鼻翼の外側を切り取る手術です。いわゆる「あぐら鼻」と呼ばれるような外側へ張り出した鼻の組織の量を減らす手術です。外側法で切り取る量が多すぎると、鼻翼の形が直線的になってしまいます。鼻翼に必要な柔らかい丸みが失われ、見た目にはむしろ悪い結果となるのです。そのため、当院は適切なバランスで切除を行います。

③内・外側法
内側法と外側法の両方を同時に行うことも可能です。

鼻中隔延長術

鼻中隔延長術は、鼻中隔(鼻腔を左右に仕切る壁)の先端に軟骨を移植して延長し、鼻尖(鼻先)を前下方に押し下げることで、上向きの鼻(アップノーズ、豚鼻)や短鼻を改善・予防する治療です。

適応
・鼻尖(鼻先)が上を向いている(アップノーズ)
・鼻の穴が正面から見えやすくて目立つ
・鼻が短い
・鼻の下が長く見える(鼻下長)

施術方法

鼻中隔とは、鼻腔(鼻の中の空間)を左右に仕切る壁のことをいい、軟骨を移植してこの壁を延長し、ここに鼻尖の軟骨(鼻翼軟骨)を下方に移動した状態で縫いつけて固定するのが鼻中隔延長術です。鼻尖が下がるため、上向きの鼻(アップノーズ、豚鼻)や短鼻を治療できます。鼻の手術を行うためのアプローチには、鼻孔(鼻の穴)の内側のみを切開するクローズ法と、鼻柱(左右の鼻孔の間の部分)を横切る切開を加えるオープン法とがあります。鼻中隔延長術はオープン法で行います。鼻中隔延長術は、移植軟骨を固定する際に鼻中隔の延長方向と距離、位置を慎重に検討する必要があり、この作業を正確に行うためには、オープン法が必要になります。切開の際には、なるべく傷痕が残らないように配慮し、術後 3 ヶ月程度でほとんど気にならなくなります。

隆鼻術(ヒアルロン酸注入・プロテーゼ挿入)

鼻を高くする方法には、ヒアルロン酸などの注入によるものと、シリコンプロテーゼによる隆鼻術があります。鼻根部から鼻背にかけて人工シリコン(プロテーゼ)を用いたり、軟骨など自家組織を用いて鼻を高くする方法などがあります。

適応
・鼻を高くしたい
・鼻筋を通したい
・左右の目が離れているのが気になる
・顔に立体感を出したい

施術方法

①ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入による隆鼻術は鼻根部を手軽に高くすることができます。吸収される物質のため、繰り返し注入が必要ですが、生体にとって安全な物質ですので異物に抵抗感がある方にも安心して施術していただけます。質感はヒアルロン酸によりやや柔らかいものから硬いものまで種類により異なります。

②シリコンプロテーゼ
プロテーゼは鼻の穴の中から入れるため傷は表面上まったくわかりません。当院では基本的に I 型のプロテーゼを用いております。ご希望に応じ最適なサイズを選び、形にあわせ削り出しフィットさせます。挿入部位は鼻骨の骨膜下に入れるので、術後プロテーゼが動揺する可能性はわずかです。

鼻柱下降術

鼻柱が横から見た際に小鼻に隠れてしまっている場合、鼻が大きく丸みを帯びているような印象になってしまいます。この鼻柱を下降させることで美しい立体的な鼻のラインを作り上げることが可能となります。

適応
・鼻柱が引っこんでいるため鼻先が太く見える
・小鼻が張り出して見える
・鼻全体が丸みを帯びたように見えてしまう

施術方法

施術は、耳の後ろを切開して耳介軟骨を採取します。そして、鼻の穴の中を切開して鼻柱の基部に移植するスペースを確保し、採取した軟骨を鼻柱に移植します。耳介軟骨の採取は、耳の裏側から行うため傷跡はほとんど目立ちません。移植のアプローチは鼻の穴から行うため、外見から傷跡は見えません。

耳介軟骨移植

耳介軟骨移植手術は、耳の裏側の軟骨を採取して鼻先に移植する手術です。軟骨を移植することによって、鼻先を高くしたり尖らせたりすることが可能です。また、軟骨を移植する量や位置を工夫すれば、鼻先の印象も変化します。鼻先の向きを変えることで、鼻の穴を目立たなくさせることもできます。手術で移植する軟骨は、患者様ご本人のものを用います。一般に知られる鼻プロテーゼのように、異物を入れる施術ではないので、体内に異物を挿入するのが不安な方やアレルギーが心配な方も安心です。

適応
・ 厚鼻先をつんと高く見せたい、シャープにしたい、長くしたい方
・ 正面を向いたときに目立つ鼻の穴を改善したい方
・ 鼻先が丸い、団子鼻でお悩みの方
・ 鼻先を小さくしたい方
・ 鼻の形を自然な範囲で整えたい方
・ 鼻の形を整えたいが、異物を使うことによるアレルギーが心配な方

施術方法

耳の後ろ(付け根部分)から耳介軟骨を採取します。軟骨の厚みは約 1mm 程度のため、仕上がりのデザインに合わせて 2~3 枚を重ね合わせて使用します。軟骨が小さすぎると点状に尖りすぎたり、逆に大きすぎると角が立ってしまったり・フラットな鼻先になったりと、仕上がりを大きく左右する部分のため、バランスを見ながら慎重に調整します。

細工した軟骨を鼻先に挿入し、仕上がりのデザインに合わせて位置を微調整します。
形状、バランスを確認し、切開部分を縫合し、固定テープを貼ります。

鷲鼻修正術(ハンプ切除)

鼻筋の途中にある隆起を削り取り、鼻筋をまっすぐ綺麗なラインに整える手術です。ハンプとは鼻を横から見たとき段のように突出した部分(いわゆるワシ鼻など)のことで、鼻骨と軟骨の結合部分が盛り上がっていることが原因です。この手術では、ハンプを取り除き鼻筋がまっすぐになるよう形成します。

鼻の穴を切開し、鼻中隔軟骨と外側鼻軟骨の間の連結を切り離します。その後鼻中隔軟骨を切除 (軟骨部分の出っ張りはヤスリ、軟骨部分はメス刃)して平らにします。また、出っ張りが強い場合、切除すると削った部分が平坦になり、鼻筋が太く見える可能性があるため、鼻骨骨切りを併用すると相乗効果がある場合があります。

治療の流れ

①カウンセリング・診察:
まずは医師によるカウンセリングにて、鼻のお悩みやご希望を詳しくお聞きします。鼻の形を診察したうえで、適切な治療プランをご提案し、手術内容やリスクについて丁寧に説明いたします。治療方針にご納得いただけましたら、手術日程を決定します。

②手術当日
当日はデザインの確認後、局所麻酔下で手術を行います(必要に応じて静脈麻酔を併用する場合もあります)。手術時間は施術内容によって異なりますが、目安として約1~2時間程度です。術中は麻酔が効いているため痛みはほとんど感じません。手術後は院内でしばらく安静にしていただき、問題がなければ当日中にご帰宅いただけます。

③術後の経過・通院: 手術後数日は鼻周囲に腫れや内出血が出ることがあります。必要に応じて鼻を保護するテープやギプスで固定し、安静に過ごしていただきます。術後約1週間で経過診察を行い、外側から糸を留めている場合は抜糸をします。その後も腫れが引いてくる1~2週間後、1か月後、3か月後など適宜フォローアップの診察を行い、仕上がりを確認します。日常生活への復帰は比較的早く、手術の翌日から軽い日常活動は可能ですが、激しい運動や入浴は医師の指示があるまで控えてください。

副作用・リスク

鼻形成手術に伴う主な副作用・リスクとして、術後の腫れ・むくみ、内出血(青あざ)、痛み、熱感などがあります。腫れや内出血は個人差はありますが術後数日から1~2週間程度で徐々に治まっていきます。また、傷口は可能な限り目立たないよう縫合しますが、完全に傷跡を残さないことは難しく、体質によってはわずかに線状の跡が残る場合があります(通常は時間の経過とともに目立たなくなります)。そのほか、まれに起こり得るリスクとして感染症や血腫(血のかたまり)、プロテーゼを挿入した場合の素材への拒否反応・突出、左右のバランスの不整などがあります。当院では清潔操作の徹底や術後の抗生剤投与などリスク低減に努め、安全に配慮した治療を行っております。万一異常を感じた場合には早めにご連絡いただき、適切な診察・処置を受けてください。

よくある質問

Ⓠ手術は日帰りで受けられますか?

はい。鼻の整形手術は基本的に日帰り(外来手術)で行っており、手術当日にご帰宅いただけます。麻酔が切れた後に痛みが出ることがありますので、手術当日はお車やバイクでのご来院は避け、できれば公共交通機関の利用かご家族の付き添いをお願いしています。

Ⓠ手術後の痛みや腫れはどのくらいありますか?

術後は麻酔が切れてくると痛みや腫れが多少出てきますが、痛み止めの内服薬を処方いたしますので強い痛みはコントロールできます。腫れや内出血は個人差がありますが、通常数日〜1〜2週間程度でほとんど気にならない状態になります。

Ⓠ傷跡は残りますか?

当院では鼻の手術の際、切開は鼻孔内や鼻の付け根の溝など目立ちにくい部位に行います。小鼻縮小術の場合も小鼻の付け根に沿って皮膚を切除・縫合しますので、手術直後はわずかに赤みがありますが、時間の経過とともにほとんどわからなくなります。

Ⓠヒアルロン酸とプロテーゼ、どちらを選べば良いですか?

それぞれ利点があります。ヒアルロン酸注入は注射のみで手軽に鼻を高くでき、ダウンタイムも短い方法です。ただし効果を維持するには定期的な追加注入が必要です。一方、シリコンプロテーゼ挿入は一度の手術で半永久的に効果が持続しますが、手術後の腫れ・内出血などダウンタイムが発生します。理想の高さや維持期間、ご予算などに応じてカウンセリング時に適した方法をご提案いたします。

Ⓠ鼻の整形手術は保険適用になりますか?

美容目的の鼻形成手術は自由診療(自費)となり、健康保険は適用されません。ただし、鼻骨骨折による変形の治療や重度の鼻中隔湾曲による呼吸障害の改善目的の手術(鼻中隔矯正術など)の場合は、保険診療の適用となるケースもあります。保険適用の可否については診察時にご相談ください。

 

監修医師

苅部 淳Karibe Jun理事長

苅部 淳 日本形成外科学会形成外科専門医
略 歴
順天堂大学医学部卒業
東京大学附属病院形成外科 入局
埼玉医大総合医療センター 形成外科・美容外科 助教
福島県立医大付属病院 形成外科
寿泉堂総合病院 形成外科
山梨大学附属病院形成外科 助教・医局長
東京大学附属病院 精神科
専 門
日本形成外科学会形成外科専門医
日本抗加齢学会専門医
日本医師会認定産業医
専門分野
形成外科一般、マイクロサージャリー、リンパ管吻合術、乳房再建術、性適合手術、美容外科手術、静脈瘤、レーザー治療など。
美容外科手術、レーザー、ボトックス、ヒアルロン酸等
大手美容外科クリニックで長年にわたり研鑽を積み、形成外科専門医として医師の診療、指導にあたっている。
診療内容

駅から近い!夜7時まで診療

【麹町院】麹町皮ふ科・形成外科クリニック

〒102-0093
東京都千代田区平河町1-4-5 平和第一ビル地下1階

【ACCESS】
麹町駅出口1番:徒歩1分
半蔵門駅出口1番:徒歩4分
永田町駅出口9A・9B:徒歩5分
【診療時間】
■平日
10:00〜13:00(最終受付12:50)
14:00〜19:00(最終受付18:50)

■土曜日
10:00〜13:00(最終受付12:50)
14:00〜19:00(最終受付18:50)

2025年9月1日より完全予約制となります。
■日曜日・祝日
休診日
【WEB予約】
WEB予約
※保険診療はWEB予約からご予約可能です
【電話・公式LINEでのお問い合わせ】
03-6261-2458
公式LINE

【白金院】BIOTOPE CLINIC

〒108-0071
東京都港区白金台4丁目9-10 グリーンリーブス 2F

【ACCESS】
白金台駅:出口1から徒歩およそ1分
【診療時間】
■平日
10:00〜13:00(最終受付12:50)
14:00〜19:00(最終受付18:50)

■土曜日
10:00〜13:00(最終受付12:50)
14:00〜19:00(最終受付18:50)


自費診療に関しては19:00までとなります
■日曜日・祝日
休診日はHP医師勤務表をご覧ください。
【WEB予約・LINE予約】※自費診療のみ
WEB予約
公式LINE
※保険診療は電話予約からご予約可能です
【電話でのお問い合わせ】
03-5422-9901
※保険診療は電話予約からご予約可能です
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