【肌荒れ】皮膚科でもらえる薬とは?種類や効果を解説!

「なんだか肌がかゆい。赤みもあるしどうしたらいいのかな?」
「ニキビができてしまった。痛いしなんとかしたい」

このような、お肌の不調に悩んだことがあるのではないでしょうか。
肌荒れは誰しも1度は経験したことがあると思いますが、痛みやかゆみ、赤みなど不快な症状が多いため、できるだけ早く症状を改善したいですよね。

当記事では肌荒れにはどのような種類があるのか、また原因について詳しく解説していきます。

肌荒れしたときの対処法がわかりますので、ぜひ最後までお読みください。

肌荒れの原因

肌荒れの原因はさまざまですが、主に「肌のバリア機能の低下」と「ターンオーバーの乱れ」が原因です。

では、それらを引き起こす要因としてどのようなものがあげられるのかを、以下で説明します。

外的要因
内的要因

原因を見つけることが、根本から肌荒れを治療する近道です。
以下でどのようなことが原因となっているのか詳しく解説していきますので、自身に当てはまるものがないか確認してみてください。

外的要因

肌の外側から受ける影響により、発生する肌荒れです。

「外的要因」とひと言で言っても、さまざまなものが考えられます。

たとえば以下です。
・紫外線
・乾燥
・擦る、掻くなどの摩擦
・化粧品の刺激      など

女性であればほぼ毎日化粧をすると思いますが、肌に合わない化粧品を使用してしまっていたり、メイク時に使用する筆やスポンジ、パフなどをあまり洗っていない場合は要注意です。

使用済みの筆やパフを洗わずにいると、雑菌が繁殖してしまっています。そのため、洗っていない筆やパフでメイクすることは、実は肌に菌をのせている行為と言えるのです。
筆やスポンジ、パフなどは菌が繁殖しないようしっかり洗い、清潔に保ちましょう。

外的要因は対策できるものが多いですが、原因に気付くことがもっとも難しいものです。

日焼け止めや日傘で紫外線対策をしたり、朝晩の保湿で乾燥予防をしたり、しっかりと対策をとりましょう。

内的要因

心の問題や、身体の内面の影響により発生する肌荒れです。

内的要因として、以下があげられます。
・妊娠・出産・更年期などのホルモンバランスの変化
・ストレス
・睡眠不足
・偏った食生活     など

内的要因は、外的要因と同様に自身の意識で改善できる部分もありますが、自身ではコントロールが難しいものも多くあります。
上記の中で見ると、たとえばホルモンバランスの変化が当てはまります。

妊娠・出産・更年期のホルモンバランスの変化・乱れは、とくに意識によって変えられるものではありませんので、その時期に肌荒れが起こってしまうのは仕方のないことです。

起こってしまった肌荒れにはしっかりと対処し、少しでも不快な症状を緩和しましょう。

肌荒れの種類

肌荒れの種類は多々ありますが、当記事では以下4つを説明します。

乾燥による肌荒れ
ニキビ
赤み
毛穴の開き

誰しも1度は悩まされた症状があるのではないでしょうか。
それだけ「肌荒れ」は誰にでも起こり得る疾患であり、注意していなければさまざまな不快な症状を引き起こしてしまいます。

どのようなことが原因で上記の肌荒れを引き起こすのか、ひとつずつ見ていきましょう。

乾燥による肌荒れ

肌の乾燥が原因で起こる肌荒れです。
肌が乾燥することにより外部からの刺激を防ぐ役割である、肌のバリア機能が低下するために起こります。

肌の角質層の水分量が低下し柔軟性が奪われてしまうと、肌のひび割れや粉ふき、かゆみなどを引き起こしてしまうのです。

さらに悪化すると乾燥性皮膚炎となり、強いかゆみや赤みも見られます。

冬はとくに乾燥が気になる季節ですので、多くの方が意識的に保湿をしていると思いますが、冬のみならず年間通してしっかり肌を保湿し、肌のバリア機能を助けましょう。

ニキビ

思春期に見られる代表的な発疹です。

ニキビは、尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚疾患であり、原因は以下があげられます。
皮脂の過剰分泌
ニキビの原因である「アクネ菌」の増殖
毛穴の詰まり

ターンオーバーの周期が乱れたり、過剰分泌された皮脂が排出しきれなかったりした場合に、毛穴をふさぐことがニキビの原因となるのです。

ニキビには以下の種類があります。

炎症前のニキビ白ニキビ・黒ニキビ
炎症後のニキビ赤ニキビ・黄ニキビ・紫ニキビ

白ニキビからはじまり、進行していくに連れて白→黒→赤→黄→紫となり、ニキビ跡として残ることもあります。

炎症前の白ニキビや黒ニキビの段階から注意し、肌を常に清潔に保つよう意識しましょう。

赤み

雑菌やウイルスが肌に侵入し、それらを排除しようと免疫反応が起こった場合に赤みが見られます。

敏感肌の人に多く見られる症状であり、原因は2つ考えられています。
ひとつ目は、荒れた肌を守るために、周囲の細胞を巻き込んでアレルギー反応を起こすためです。
ふたつ目は、炎症を早く治すために多くの血液を集めようと毛細血管が拡張することにより、肌に赤みが見られます。

通常は炎症が治まると毛細血管も収縮し肌の赤みも引きますが、敏感肌の人は何度もこのような炎症反応を繰り返すことで毛細血管が拡張したままとなり、継続して赤みが見られることもあるのです。

肌が常に敏感な状態になっているため、バリア機能を回復させることが重要です。

とにかく肌に刺激を与えないよう注意し、自分にあった化粧品の使用や刺激を与えないなど、肌に優しく過ごすよう意識しましょう。

毛穴の開き

皮脂と角質(たんぱく質)が混ざり合った「角栓」が毛穴に詰まり、押し広げられることで毛穴が開き目立っている状態です。

肌の乾燥やたるみ、汚れが肌に蓄積されることが原因とされています。

気になる顔の角栓をピンセットで抜いたり、無理に押し出したりする方もいますが、毛穴のみならず周囲の肌を傷つけてしまう恐れがあるため、絶対にやめましょう。

すぐに効果は見られませんが、毛穴の開きには日々のスキンケアが非常に重要です。

毎日の丁寧なクレンジング・洗顔・保湿を続けましょう。

【症状別】皮膚科で処方される治療薬

以下にて、症状別に処方される薬の説明をしていきます。

【症状】
乾燥による肌荒れ
ニキビ
赤み
毛穴の開き

それぞれ皮膚科医が症状を見極めて処方しますが、どのような薬が処方されるのか見てみましょう。

乾燥による肌荒れ

乾燥による肌荒れは、主に保湿剤の塗り薬が処方されます。
乾燥による肌荒れであるため、保湿が最重要とも言えるためです。

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)を処方されることが多く、持続して肌を保湿してくれる効果があります。

また炎症を起こしかゆみが出ている場合は、ステロイドの塗り薬で炎症を抑えたり、抗ヒスタミン剤の内服でかゆみを抑えたりする場合もあります。
皮膚の状態を医師が判断して処方するため、医師の診察がかかせません。

ニキビ

外用薬・内服薬ともに処方される場合があり、ニキビの進行状況により薬が異なります。
以下にニキビ治療で処方される外用薬・内服薬を表でまとめましたので、確認してみましょう。

外用薬

薬剤名効果
ディフェリンゲル

(アダパレン)

ターンオーバーを正しい周期に導き、毛穴詰まりを防ぐ
ベピオゲル・ローション

(過酸化ベンゾイル)

ニキビの原因菌「アクネ菌」の増殖を防止し、毛穴詰まりの改善
デュアック配合ゲル

(クリンダマイシン・過酸化ベンゾイル)

ニキビの原因菌「アクネ菌」の抗菌
エピデュオゲル

(過酸化ベンゾイル・アパダレン)

ニキビの原因菌「アクネ菌」の抗菌・抗炎症作用があり、中等症~重症な赤ニキビに効果を発揮
抗生物質

(クリンダマイシン、ナジフロキサシン、オゼノキサシン)

ニキビの原因菌「アクネ菌」の殺菌

 

内服薬

抗生物質ビタミン剤
  • ビブラマイシン
  • ミノマイシン
  • ルリッド
  • ファロム
  • クラリシッド
  • シナール(ビタミンC・B5)
  • ハイチオール(L-システイン)
  • ノイロビタン(ビタミンB1・B2・B6・B12)
  • ユベラ(ビタミンE誘導体)

表に記載している薬のほかにも処方されることはありますが、基本的に成分は同じものであり、ニキビの原因菌である「アクネ菌」の増殖を抑えることが目的です。

また、ビタミン剤が処方される場合もあります。
ビタミンには非常に多くの種類がありますが、ニキビに関係しているのはビタミンB・ビタミンC・ビタミンEです。

ビタミンB群は「美肌ビタミン」とも呼ばれており、脂質・糖質・たんぱく質の代謝を促進する働きがあります。皮脂の分泌量をコントロールする働きもあるため、ニキビ予防に効果があるのです。

ニキビの状態を医師に確認してもらったうえで、適切な薬を処方してもらいましょう。

赤み

肌に赤みが見られる原因がなにかによって、薬が異なります。

皮膚の炎症により毛細血管が拡張することで赤みが目立ちますが、その炎症の原因はさまざまであるためです。

たとえば乾燥であったり、化粧品が合わなかった場合などがあげられ、その場合は保湿剤の処方や、化粧品を変えるといったことが必要です。

そのほか、原因が「酒さ(赤ら顔)」と言われる慢性の炎症性疾患の場合は、外用薬として「ロゼックスゲル」、内服薬としてミノマイシン・ビブラマイシンなどの「抗生物質」が処方されます。

肌の赤みは原因によって治療薬が異なりますので、素人での判断は難しい疾患です。まずはクリニックにかかり、診断を受けましょう。

毛穴の開き

毛穴の開きに有効な薬として、「トレチノイン」が処方されることがあります。

トレチノインは皮脂腺の拡大を抑え、皮脂分泌をコントロールしアクネ菌の増殖を抑制する環境を整える効果があるためです。

トレチノイン内服薬は、欧米などの海外で広く認可されている薬ですが、日本では厚生労働省の未承認であるため、公的医療保険が適用されない薬です。

保険外処方であるため、お薬も保険適用よりは高くなってしまいますので、不安のある方は診察時に医師に相談しましょう。

肌荒れで処方される主な漢方薬

肌荒れの際に処方される漢方薬を、以下の表で説明します。

漢方薬名効能注意点
清上防風湯

(せいじょうぼうふうとう)

  • 赤ニキビに効果的
  • 熱を冷やし、炎症を抑える
  • 胃もたれ
  • 食欲不振
  • 胃の不快感
  • 下痢
桂枝茯苓丸加薏苡仁

(けいしぶくりょうがんかよくいにん)

  • ニキビ・湿疹・皮膚炎に効果的
  • 血流の改善
  • 発疹
  • かゆみ
  • 胃の不快感
  • 下痢
温清飲

(うんせいいん)

  • 肌の赤み・かさつき・かゆみに効果的
  • 血液のめぐりをよくする
  • 間質性肺炎
  • 食欲不振
  • 胃の不快感
  • 肝機能障害
当帰芍薬散

(とうきしゃくやくさん)

  • ニキビ・肌荒れに効果的
  • 血行不良の改善
  • ホルモンバランスを整える
  • かゆみ
  • 体のだるさ
  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 腹痛
十味敗毒湯

(じゅうみはいどくとう)

  • 皮膚の赤み・かゆみ・化膿の改善に効果的
  • 熱を発散させ、炎症を抑える
  • 発疹
  • かゆみ
  • 蕁麻疹
  • 食欲不振
  • 胃の不快感
  • 下痢

                                     など。

漢方薬とは、心も含めた身体全体の不調を整えるものであり、「生薬(しょうやく)」と呼ばれる植物や動物、鉱物などの薬効がある部分を加工し、組み合わせたものを指します。

漢方薬は、飲み始めてから早くに効果が出るタイプのものと、飲み続けることで効果が出るタイプのものがあります。もし飲み続けることで効果が出るタイプの場合であっても、1か月以上経過してなにも効果が現れない場合は、症状や体質に合っていない可能性がありますので医師に相談しましょう。

また、自然界にあるものを使用しつくられた薬のため、身体に優しく副作用がないと考えられている方もいます。しかし、生薬の成分が身体に合わない場合などは副作用が出ることもありますので、覚えておきましょう。

漢方薬は、患者一人ひとりの症状を見たうえで処方されるため、同じ病名であっても処方される薬が異なります。そのため、オーダーメイドのような医学とも言われているのです。

肌荒れした際の皮膚科での治療

内服薬と外用薬によっての治療がメインとなります。

保険適用での治療が認められている、主な治療法であるためです。

ほかにも肌荒れの治療法としてレーザー治療がありますが、生まれつきのシミやアザ、後天性の一部のシミなど限定的なものしか保険が適用されません。そのためレーザー治療を受けたい場合は皮膚科ではなく、肌を美しくするために美容皮膚科を受診する方が多くなっています。

皮膚科は「皮膚の疾患」を治療する目的であるため、病気を治す目的以外でのレーザー治療は保険適用外になっているのです。

またニキビ治療に関しては、「面ぽう圧出」という、毛穴に詰まった皮脂や細菌を押し出す治療は保険適用であり、皮膚科で対応しています。

肌荒れの原因や種類によって皮膚科で対応できる内容も変わってきますが、基本的には内服と塗り薬です。
医師の指示の元、処方された薬はしっかり使用し肌荒れを解決しましょう。

肌荒れが治らないときは皮膚科の受診を検討しよう

肌荒れは、患者自身のセルフケアが非常に重要な疾患です。

「肌に刺激を与えない」「清潔に保つ」「生活習慣を整える」など、自分で対策することにより改善できることも多くあります。

しかし、どれだけ対策をしても肌荒れが起きてしまうこともありますし、荒れてしまった肌が改善されないことも多くあるでしょう。

重症化してしまってからでは治るまで長い日数を要しますので、早い段階から治療を開始することが、より早く完治させるポイントです。

「これくらいなら病院に行く必要はない」などと自己判断せず、まずは早めに皮膚科を受診し医師に相談しましょう。

監修医師

苅部 淳Karibe Jun理事長

苅部 淳 日本形成外科学会形成外科専門医
略 歴
順天堂大学医学部卒業
東京大学附属病院形成外科 入局
埼玉医大総合医療センター 形成外科・美容外科 助教
福島県立医大付属病院 形成外科
寿泉堂総合病院 形成外科
山梨大学附属病院形成外科 助教・医局長
東京大学附属病院 精神科
専 門
日本形成外科学会形成外科専門医
日本抗加齢学会専門医
日本医師会認定産業医
専門分野
形成外科一般、マイクロサージャリー、リンパ管吻合術、乳房再建術、性適合手術、美容外科手術、静脈瘤、レーザー治療など。
美容外科手術、レーザー、ボトックス、ヒアルロン酸等
大手美容外科クリニックで長年にわたり研鑽を積み、形成外科専門医として医師の診療、指導にあたっている。

関連記事

  1. 大人の「あせも」の治し方はある?原因や予防法まとめ

  2. 虫刺されの腫れがひどい!腫れが収まらない時の薬や対処法を解説…

  3. 日焼けで「水ぶくれ」ができる原因や、できた際の対処法まとめ

  4. わき汗・わきがでお悩みの方へ

  5. 麹町で皮膚科をお探しの方!【麹町皮ふ科・形成外科クリニック】…

  6. 副乳除去(切除)の費用はどのくらい?施術の特徴や流れを紹介!…

Translate »
麹町院 WEB予約
白金院
公式ラインから問い合わせ