【脂漏性皮膚炎】顔の治し方は?原因・セルフケア・皮膚科の治療を解説

脂漏性皮膚炎(顔)の治し方とは?原因・セルフケア・皮膚科での治療法を解説

顔の生え際や眉まわり、小鼻の脇などに、黄みがかったフケのようなものが付着してかゆい…そんな経験はありませんか?それは脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)かもしれません。繰り返しやすく「なかなか治らない」と悩む方も多い皮膚トラブルです。

この記事では、顔に起こる脂漏性皮膚炎の特徴・原因から、自宅でできるセルフケア、皮膚科を受診するタイミング、治療の選択肢まで、順を追ってわかりやすく解説します。「どう対処すればいいかわからない」という不安を少しでも解消するための情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

脂漏性皮膚炎(顔)とはどんな状態?症状の特徴

脂漏性皮膚炎とは、皮脂の分泌が多い部位に炎症が起きる皮膚疾患です。「脂漏(しろう)」とは、皮脂が過剰に分泌される状態を意味します。顔では特に皮脂腺が集中している部位に症状が現れやすいのが特徴です。

よく症状が出やすい部位

  • 眉毛・眉間のまわり
  • 鼻の脇(小鼻のくびれ)・鼻周辺
  • 髪の生え際・おでこ
  • 耳のまわり・耳の後ろ
  • あごや口のまわり

これらの部位に、赤み・かゆみ・黄みがかったフケ状のかさつき(鱗屑:りんせつ)が現れます。皮膚がジュクジュクすることは少なく、比較的乾いた状態でポロポロとはがれ落ちるケースが多いです。

症状は慢性的に続き、良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多いのも脂漏性皮膚炎の特徴のひとつです。季節の変わり目や体調の変化で悪化しやすい傾向があります。

乾燥肌・アトピーとの違い

脂漏性皮膚炎と乾燥性皮膚炎(乾燥からくる肌荒れ)やアトピー性皮膚炎は、見た目が似ていることもあり混同されやすいです。大きな違いは「皮脂の多い部位に起きやすいかどうか」という点です。乾燥肌のかさつきは皮脂が少ない状態で起きますが、脂漏性皮膚炎は皮脂が多い部位に集中して発症します。

また、アトピー性皮膚炎はひじの内側や膝の裏側など、こすれやすい部位に症状が出やすいのに対し、脂漏性皮膚炎は顔の中央部(Tゾーンや眉まわり)を中心に症状が出る点でも異なります。自己判断が難しい場合は、皮膚科で診てもらうことをおすすめします。

脂漏性皮膚炎(顔)の原因として考えられること

脂漏性皮膚炎の原因はひとつではなく、複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。代表的な原因を理解しておくことが、再発防止にもつながります。

マラセチア菌(真菌)の関与

脂漏性皮膚炎の発症には、マラセチア属の真菌(カビの一種)が深く関わっていると言われています。マラセチアは健康な人の皮膚にも存在する常在菌ですが、皮脂が多い環境で過剰に増殖し、皮膚の炎症を引き起こすと考えられています。

つまり「カビに感染する」というよりも、もともといる菌が増えすぎてしまうことで炎症が起きるイメージです。そのため、清潔にし続けていても完全に取り除くことは難しく、皮脂の分泌量をコントロールすることが重要になってきます。

皮脂の過剰分泌

思春期以降のホルモンバランスの変化、ストレス、食生活の偏りなどにより、皮脂の分泌量が増えることがあります。特に脂っこい食事・糖質の過剰摂取・ビタミンB群の不足は皮脂分泌に影響するとされています。

成人男性は女性に比べて皮脂分泌量が多く、脂漏性皮膚炎の発症率が高いとも言われています。また、40〜70代の中高年にも多い傾向があります。

生活習慣・体調の乱れ

睡眠不足・過剰なストレス・不規則な食生活は、免疫機能や皮膚のバリア機能を低下させ、脂漏性皮膚炎を悪化させる要因となります。また、ビタミンB2・B6・亜鉛・ビオチンなどの栄養素が不足すると、皮脂の代謝に影響が出ることもあります。

腸内環境の乱れも皮膚に影響することがわかっており、食物繊維や発酵食品(ヨーグルト、味噌、納豆など)を取り入れて腸内細菌のバランスを整えることも、肌の状態の改善を助ける可能性があります。

スキンケアの影響

洗顔のしすぎで皮脂を取りすぎると、肌が乾燥を補おうとしてかえって皮脂分泌を増加させることがあります。一方、洗顔不足による皮脂の過剰な蓄積も症状を悪化させます。スキンケア製品の成分が肌に合わない場合も、炎症を誘発することがあります。

自宅でできるセルフケアと生活習慣の見直し

脂漏性皮膚炎は慢性的な疾患ですが、日常生活の中でできるケアを続けることで症状を穏やかにコントロールしやすくなります。以下のポイントを意識してみましょう。

正しい洗顔を心がける

洗顔は1日2回程度を目安に、ぬるま湯(32〜34℃程度)でよく泡立てた洗顔料を使い、こすらず優しく洗い流しましょう。強い洗浄力のある石けんや、スクラブ洗顔は皮膚への刺激が強く、症状を悪化させることがあります。

洗顔後はすぐに保湿をすることも大切です。脂漏性皮膚炎があっても、水分補給を目的とした保湿は必要です。ただし、オイルが多く含まれる保湿剤はマラセチアのエサになる可能性もあるため、使用する製品は皮膚科医に相談するのが安心です。

食生活・栄養素を見直す

皮脂の分泌をコントロールするために、以下の栄養素を意識した食事が役立つ可能性があります。

  • ビタミンB2(レバー、納豆、牛乳、卵など):皮脂の代謝を助ける
  • ビタミンB6(まぐろ、鶏むね肉、バナナなど):皮膚の健康維持に関わる
  • 亜鉛(牡蠣、牛赤身肉、大豆製品など):皮膚の免疫機能をサポートする
  • ビオチン(ビタミンB7)(卵黄、ナッツ類、きのこなど):皮膚炎に関わるとされる栄養素

反対に、脂質の多い食事・糖質の過剰摂取・アルコールの飲みすぎは皮脂分泌を増やしやすいとされています。食事のバランスを意識するだけでも、肌の状態に良い影響を与えることがあります。サプリメントを活用する場合は、特定製品への依存ではなく食事の補助として取り入れ、薬剤師や医師に相談しながら選ぶようにしましょう。

睡眠・ストレスを管理する

睡眠中は皮膚の修復が活発に行われます。7〜8時間程度の質のよい睡眠を確保することは、肌の回復にとっても大切です。また、慢性的なストレスは皮脂分泌を促進するホルモン(コルチゾールなど)の分泌を増やすことが知られています。

ウォーキングや軽いストレッチなどの適度な運動、入浴によるリラクゼーション、趣味の時間を確保するなど、日常的にストレスを発散できる習慣を取り入れることも、肌荒れの予防につながります。

市販薬の活用について

ドラッグストアなどで手に入る市販のステロイド外用薬(ヒドロコルチゾン含有クリームなど)や抗真菌成分を含む外用薬を一時的に使用することもできます。ただし、使用前に薬剤師への相談をおすすめします。顔のステロイド外用薬は長期使用による副作用(皮膚の薄化・毛細血管拡張など)のリスクがあるため、使用期間や頻度には注意が必要です。

皮膚科を受診すべきタイミングの目安

セルフケアを続けても改善しない場合や、以下のような状態が見られる場合は、皮膚科への受診を検討しましょう。

  • セルフケアや市販薬を2週間以上続けても症状が改善しない
  • かゆみや赤みが強くなっている、または範囲が広がっている
  • 症状が繰り返し再発している
  • 皮膚がただれている、滲出液(じゅくじゅく)が出ている
  • 外見上気になる箇所が増えて、日常生活・仕事・精神的に支障が出ている

脂漏性皮膚炎は自然に治りにくく、放置すると症状が慢性化・悪化することがあります。「大したことはない」と思わず、気になる段階で皮膚科を受診することが早期改善への近道です。

皮膚科での主な治療法

皮膚科では、症状の程度や患者さんの肌の状態に合わせてさまざまな治療が行われます。以下は代表的な治療の選択肢です。

外用薬(塗り薬)による治療

抗真菌薬(外用)は、マラセチアの増殖を抑えることを目的に使用されます。ケトコナゾールなどの成分が含まれた外用薬が処方されることがあります。炎症が強い場合は、ステロイド外用薬が短期間処方されることもありますが、顔への長期使用は副作用のリスクがあるため、医師の指示に従うことが重要です。

近年では、タクロリムス(プロトピック)外用薬のような非ステロイド系の免疫調節外用薬が使われることもあります。ステロイドに比べて長期使用に向いている場合もあり、医師と相談しながら選択されます。

内服薬による治療

症状がひどい場合や外用薬だけでは改善しない場合、抗

監修医師

苅部 淳Karibe Jun理事長

苅部 淳 形成外科専門医・麹町皮ふ科形成外科クリニック理事長
略 歴
順天堂大学医学部卒業
東京大学附属病院形成外科 入局
埼玉医大総合医療センター 形成外科・美容外科 助教
福島県立医大付属病院 形成外科
寿泉堂総合病院 形成外科
山梨大学附属病院形成外科 助教・医局長
東京大学附属病院 精神科
各病院での形成外科・美容外科での臨床経験を経て形成外科専門医取得
2019年 麹町皮ふ科・形成外科クリニック 開院(千代田区市ヶ谷)
2021年 BIOTOPE CLINIC 白金 開院(港区白金)
資 格
日本形成外科学会 形成外科専門医
日本抗加齢学会 専門医
日本医師会認定産業医
アラガン社 ボツリヌス注射 VST認定医
アラガン社 ヒアルロン酸 VST認定医
スリランカにてアーユルヴェーダを学ぶ
所属学会
日本形成外科学会 / 日本美容外科学会(JSAPS) / 日本美容皮膚科学会 / 日本抗加齢医学会 / 日本再生医療学会 / アメリカ形成外科学会 / アメリカ抗加齢医学会 / 日本東洋医学会 / 日本人類遺伝学会 / GID学会 / 日本マインドフルネス学会 ほか
受 賞
東京大学形成外科 最優秀賞(2016年)
日本形成外科学会 優秀賞(2018年)
ASPS(アメリカ形成外科学会)優秀演題発表(2018年)
英語での学会発表・国際学術活動(海外学会での研究発表多数)
得意施術
【美容外科】目の下のクマ取り(裏ハムラ法)・忘れ鼻形成・タレ目形成・二重手術(埋没法)・目尻靭帯移動術・鼻の手術・性適合手術・乳房再建術・静脈瘤手術
【美容皮膚科・機器治療】HIFU(ハイフ)によるたるみ治療・ボルニューマ・Morpheus 8(モフィウス)・エンブレイスRF(高周波たるみ治療)・ボトックス・ヒアルロン酸・ICI療法(ED治療)・ピコレーザー・CO2フラクショナルレーザー・ダーマペン
取り組み
外見のケアだけでなく、食事・運動・睡眠など生活習慣の見直しから内側を整える「予防医療」に注力。オーソモレキュラー栄養療法・遺伝子検査(ダイエット遺伝子・アルコール感受性)・腸内細菌検査(マイキンソー)を取り入れ、体質に合ったオーダーメイドの健康アプローチを提供。サプリメント(NMN等)や点滴療法も提案している。英語による診療・美容施術カウンセリングにも対応。英語での国際学会発表も行っており、海外の学術情報を継続的に診療へ反映している。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を保証するものではありません。気になる症状がある場合は皮膚科を受診してください。
参考:公益社団法人 日本皮膚科学会厚生労働省

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