
しみには、老人性色素斑、そばかす、肝斑、炎症後色素沈着などの種類があります。見た目が似ていても原因や適した治療方法は異なるため、まずはしみの種類を見極めることが大切です。
美容皮膚科では、しみや肝斑の内服治療を補助する目的で、ビタミンE製剤の「ユベラ錠」が使われることがあります。ただし、ユベラ錠は、しみを直接薄くする薬ではありません。
この記事では、ユベラ錠の成分や働き、しみ治療における位置づけ、副作用、併用されることがある薬について解説します。
ユベラ錠とは
ユベラ錠50mgは、トコフェロール酢酸エステルを有効成分とするビタミンE製剤です。
添付文書に記載されている効能・効果は、ビタミンE欠乏症の予防および治療、末梢循環障害、過酸化脂質の増加防止です。末梢の血流を促す作用や抗酸化作用が認められています。
美容皮膚科では、こうした働きに着目し、しみや肝斑の治療を補助する内服薬として処方されることがあります。ただし、しみ、そばかす、肝斑は、ユベラ錠の添付文書に記載された効能・効果には含まれていません。
ユベラ錠は、すでにできたしみを直接取り除く薬ではありません。しみの種類や肌の状態に応じて、紫外線対策、外用薬、ほかの内服薬、施術などと組み合わせて使用されます。
代表的なしみの種類
老人性色素斑
老人性色素斑は、一般的に「しみ」と呼ばれることが多い色素斑です。長年にわたる紫外線の影響などにより、顔や手の甲、腕などに現れます。
中年以降に目立ちやすくなりますが、紫外線を浴びる機会が多い人では若い年代から生じることもあります。予防や悪化防止のためには、季節を問わず紫外線対策を続けることが重要です。
そばかす
そばかすは雀卵斑とも呼ばれ、鼻や頬を中心に小さな褐色斑が左右対称に現れます。遺伝的な要因が関係し、幼少期から目立ち始めることがあります。
紫外線によって色が濃くなることがあるため、日焼け止めや帽子などによる紫外線対策が欠かせません。
肝斑
肝斑は、頬骨付近や額、口の周囲などに左右対称に現れやすい色素斑です。紫外線、摩擦、ホルモンの変化など、複数の要因が関係すると考えられています。
ほかのしみと見分けにくい場合があり、照射方法によってはレーザー治療で悪化する可能性もあります。自己判断せず、医師の診察を受けたうえで治療方法を選ぶことが大切です。
炎症後色素沈着
炎症後色素沈着は、ニキビ、湿疹、やけど、虫刺され、摩擦などによる炎症が治まった後に残る褐色の色素沈着です。
時間の経過とともに薄くなることもありますが、紫外線や摩擦によって長引く場合があります。
ユベラ錠がしみ治療で使われる理由
抗酸化作用
紫外線を浴びた皮膚では酸化ストレスが生じます。ユベラ錠の有効成分であるビタミンEには、異常酸化を抑え、過酸化脂質の生成を抑制する作用があります。
美容皮膚科では、この抗酸化作用に着目し、しみや肝斑の治療を補助する目的で使用されることがあります。
末梢循環を改善する作用
ユベラ錠には、末梢の血流を促して微小循環を改善する作用があります。ただし、血流を改善すれば必ずしみが薄くなるというものではありません。
ユベラ錠だけですべてのしみを改善できるわけではなく、期待できる効果には個人差があります。服用を続けても変化がみられない場合は、医師が治療方法を見直します。
ユベラ錠の服用方法
ユベラ錠50mgの添付文書では、通常、成人にはトコフェロール酢酸エステルとして1回50~100mgを、1日2~3回服用するとされています。年齢や症状に応じて服用量が調整される場合があります。
実際の服用量や服用期間は、治療目的や健康状態によって異なります。自己判断で量を増減せず、医師から指示された方法で服用してください。
ユベラ錠の副作用
ユベラ錠では、次のような副作用が報告されています。
- 便秘
- 胃部不快感
- 下痢
- 発疹
服用後に体調の変化が現れた場合は、自己判断で服用を続けず、処方を受けた医療機関へ確認してください。
ユベラ錠と併用されることがある薬
シナール
シナール配合錠は、アスコルビン酸とパントテン酸カルシウムを配合したビタミン剤です。添付文書では、ビタミン類の補給に加え、炎症後の色素沈着が効能・効果として記載されています。
美容皮膚科では、目的や症状に応じてユベラ錠と併用されることがあります。ただし、併用すれば必ず効果が高まるというものではありません。服用する薬の種類や期間は、医師が症状や健康状態を確認して判断します。
シナールについて詳しく見る
トランサミン
トランサミンは、トラネキサム酸を有効成分とする医薬品です。プラスミンの働きを抑える抗プラスミン作用があり、皮膚科や美容皮膚科では肝斑の内服治療に用いられることがあります。
なお、医療用トランサミンの添付文書では、肝斑は効能・効果に含まれていません。肝斑に対する処方は、承認された効能とは異なる使用になります。
また、血栓症の既往がある方、血栓が生じやすい方、腎機能に問題がある方などでは注意が必要です。持病や服用中の薬がある場合は、診察時に必ず医師へ伝えてください。
トランサミンについて詳しく見る
内服以外のトラネキサム酸ケア
トラネキサム酸は、内服薬だけでなく、美容液などの外用製品にも配合されています。外用製品は、毎日のスキンケアに取り入れられる選択肢の一つです。
「Dr.J+ TA Serum」は、BIOTOPE CLINICの苅部淳院長が手がけた、トラネキサム酸2%配合の美容液です。公式商品ページでは、トラネキサム酸のほか、グリチルリチン酸ジカリウム、プラセンタエキス、ヒアルロン酸Naなどの配合成分が紹介されています。
使用する際は商品の使用方法を確認してください。赤み、かゆみ、刺激などの異常が現れた場合は使用を中止し、症状が続く場合は医療機関を受診してください。
まとめ
ユベラ錠は、トコフェロール酢酸エステルを有効成分とするビタミンE製剤です。抗酸化作用や末梢循環を改善する作用があり、美容皮膚科では、しみや肝斑の治療を補助する目的で使われることがあります。
ただし、しみ、そばかす、肝斑は、ユベラ錠の添付文書に記載された効能・効果には含まれていません。ユベラ錠だけでしみが改善するとは限らず、しみの種類に合わせた治療が必要です。
老人性色素斑、そばかす、肝斑、炎症後色素沈着では、適した治療方法が異なります。紫外線対策を続けながら、肌の状態に応じて内服薬、外用薬、施術などを組み合わせることが大切です。
しみの種類や治療方法が分からない方は、医師の診察を受けたうえで、ご自身に合った治療方法を検討してください。
監修医師
苅部 淳
Karibe Jun
理事長
略 歴
資 格
受 賞
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療効果を保証するものではありません。治療の適否は、医師が症状や健康状態、服薬状況などを確認したうえで判断します。






