まぶたでお悩みの方へ【眼瞼下垂症】について

上まぶたが下がってきて、見えにくくなってしまう眼瞼下垂。鏡に映った自分のまぶたの下がり具合や、周りの人から眠そうな目をしている、おでこにシワが増えた、などの指摘をされたことで気になり始めた、という方もいるのではないでしょうか。眼瞼下垂とはどのような状態のことをいうのか、そして、治療法にはどのようなものがあるのかなど、ご自分の状態に照らし合わせて参考にしてみてください。

 

まず眼瞼下垂とは、まぶたを上げる筋肉や腱膜が弱まったり、緩んで切れてしまったり、神経に麻痺などの症状があるなどの原因によって、上まぶたが十分に開けられず、まっすぐ前を見ているときに、黒目の部分にまぶたが被っている状態のことをいいます。眼瞼下垂には、生まれつきまぶたを上げる筋力が弱かったり、まぶたを上げる筋肉を支配する神経に不都合があったりして、眼瞼下垂になってしまっている先天性眼瞼下垂の方や、加齢や病気などの様々な要因によって、大人になってから眼瞼下垂になってしまった方がいます。そして、両目が平均的に眼瞼下垂になるということではないので、左右の目の開き方に差があって、左右の目の大きさが違ってしまうということもあります。

眼瞼下垂がおこる原因として考えられるもの

脳梗塞などが原因で、まぶたを上げる神経の麻痺がおこる動眼神経麻痺。神経と筋肉の接続がうまくいっておらず、神経の刺激が筋肉に届かない重症筋無力症。遺伝的な理由などで、まぶたを上げる筋肉自体が弱くなってしまった状態の外眼筋の変性。まぶたを上げる神経である交感神経が、うまく働かなくなるホルネル症候群。外傷などで、まぶたを上げる筋肉や腱膜が切れたり、神経が麻痺してしまったりしている状態。緑内障薬のプロスタグランジ点眼などを長期間使用した後。などの場合に、眼瞼下垂になってしまうことがあります。

最近では、20代や30代といった若い世代の方が眼瞼下垂を発症していることも多くなっています。原因としては、パソコンやスマートフォンの画面に集中したり、長時間見続けたりすることで、目の周りの筋肉や腱膜が疲労してしまった場合や、アイプチやコンタクトレンズの付け外し、つけまつ毛や過度なアイメイクなど、まぶたを直接刺激するような状態が継続的に行われている場合などが考えられています。また、筋肉や腱膜、神経などに問題はなくても、まぶたが下がってしまう場合があります。それは、主に加齢が原因となってまぶたの皮膚がたるんでしまったり、眉が下がってしまったりしている状態で、眼瞼下垂ではなく偽眼瞼下垂と呼ばれています。

眼瞼下垂によっておこるサインや症状

眼瞼下垂のサインとして見た目でわかるものは、まぶたが下がったために眠そうな目に見えたり、まぶたを上げるために眉毛やおでこに力が入ってしまうことによって、おでこにシワが寄ったり、二重の幅が広くなったり、目の筋肉が衰えたため、まぶたが窪んできたり、などがあります。また、下がったまぶたのせいで、視野の上部が見えにくくなっているので、頭上がおろそかになり、頭をぶつけてしまうことがあります。そして、見えにくい視野を補うために、顎を上げて下目がちに見るなどの不自然な姿勢を取り、首のまわりの筋肉を過度に使うことで、肩こりや片頭痛を引き起こしてしまうこともあります。

眼瞼下垂の症状は、まっすぐに正面を見ている状態で判断をします。軽症の場合は、黒目の上部に少しまぶたが被さった状態で、瞳孔には被さっていません。まぶたが重たい感覚がありますが、日常生活には問題がない程度です。中等症の場合は、まぶたが瞳孔に少し被さってしまっている状態です。肩こりや頭痛などを感じることがあり、目の上が少しづつ窪みはじめてきます。重症の場合は、瞳孔が半分以上隠れた状態で、まぶたがうっとうしいと感じる程度しか目が開かず、目の上が窪んでしまいます。

眼瞼下垂の治療方法は、眼瞼下垂になってしまった原因によって様々あります。それぞれの治療方法に適した方の特徴や、具体的な手術方法、またそれに伴うリスクなどを紹介します。

挙筋腱膜前転法

まぶたを上げるための筋肉や、その筋肉とまぶたをつなぐ腱膜が、弱くなったり緩んだり、外れてしまっている場合に用いられる治療方法です。この治療がおすすめの方は、まぶたを上げる筋肉や筋膜に問題があり、キレイな二重にしたいと思っている方で、保険適用の治療が可能です。手術方法は、まぶたを切開し、まぶたを開けるための筋肉や筋膜を、短く折りたたむようにして再固定することで、目の開きが大きくなり、まぶたの開閉を強化することができ、開けやすくします。表面の切開部分が二重のラインになるので、手術後の傷は目立ちません。一重の方は二重になるので、希望の二重の形に成形することができ、二重の方は二重の幅や左右差を整えることができます。同時に、まぶたのたるみや脂肪も取ることができるので、すっきりとした目元に仕上がります。リスクとしては、まぶたの表面を切開しているので、腫れやむくみ、内出血がおこることもあり、手術後のダウンタイムは、ある程度の日数が必要となることです。

人工筋膜・大腿筋膜移植法

まぶたを上げるための筋肉が弱い場合や、まぶたを上げる筋肉を支配する神経に麻痺などがある場合に用いられる治療方法で、吊り上げ術とも呼ばれています。この治療がおすすめの方は、先天性眼瞼下垂の方や、重度の眼瞼下垂の方、これまでに眼瞼下垂の治療をしたが改善の見られなかった方などで、保険適用での治療が可能です。先天性眼瞼下垂で左右の目の大きさが違う方なども、この治療法によって目の開き具合を合わせることができます。手術方法は、眉の上で切開し、まぶたまでの皮下にトンネルを作り、人工筋膜や大腿筋膜でまぶたを吊り上げ、おでこの筋肉(前頭筋)に繋ぐことで、まぶたを上げる筋力を補います。リスクとしては、まぶたの腫れやむくみ、まぶたや大腿筋膜を採取した周辺におこる内出血など、手術後のダウンタイムには、ある程度の日数が必要となります。また、前頭筋でまぶたを吊り上げる施術なので、まぶたが閉じにくくなるというデメリットもあります。顔の動きを伴わず、目だけで下を見ようとした場合、まぶたが下がらず、不自然に見えてしまうこともあるので、顔全体で下を見るようにするなど、不自然に見えないような動作を心掛ける必要があります。

二重埋没法

切開をせずにまぶたを二重にする方法で、目の開きを大きくすることができます。この治療がおすすめの方は、軽度の眼瞼下垂や偽眼瞼下垂で、短期間での治療がしたい方や、皮膚を切開せずに治療したいという方です。ただし、切除を伴わない治療方法なので、保険適用がされない場合があります。その場合は自己負担額は多くなります。手術方法は、皮膚の内側に特殊な細い糸を通し、数か所固定することで二重のラインをつくります。それによって、まぶたが持ち上がり、眼瞼下垂が改善されます。切開をしない治療なので、手術に対する抵抗感を感じている方も気軽に治療することができます。手術後のダウンタイムも短期間ですむので、早く日常生活に戻りたいという方にも適しています。術後の過ごし方も、切開する手術に比べ、通院する回数も少なくてすみます。リスクとしては、まぶたのたるみが多かったり、筋肉の緩みが多かったりする人の場合、十分な目の開き具合にならなかったり、不自然な二重になってしまったりすることもあります。

 

眼瞼下垂かも・・・そんな方は当院へご相談ください

当院では、眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。症状にあわせえ専門医が治療方法を選択していきます。
眼瞼下垂の症状でお悩みの方はご相談ください。

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監修医師

苅部 淳Karibe Jun理事長

苅部 淳 日本形成外科学会形成外科専門医
略 歴
順天堂大学医学部卒業
東京大学附属病院形成外科 入局
埼玉医大総合医療センター 形成外科・美容外科 助教
福島県立医大付属病院 形成外科
寿泉堂総合病院 形成外科
山梨大学附属病院形成外科 助教・医局長
東京大学附属病院 精神科
専 門
日本形成外科学会形成外科専門医
日本抗加齢学会専門医
日本医師会認定産業医
専門分野
形成外科一般、マイクロサージャリー、リンパ管吻合術、乳房再建術、性適合手術、美容外科手術、静脈瘤、レーザー治療など。
美容外科手術、レーザー、ボトックス、ヒアルロン酸等
大手美容外科クリニックで長年にわたり研鑽を積み、形成外科専門医として医師の診療、指導にあたっている。

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